サルタ州その2を見る

2000/05/04-07 (Last Update : 2008/07/17)

アルゼンチン北部の街・サルタ Salta の旅ーその2−

標高4000m田舎町・カチ CACHI と 雲の上行き列車 Tren a las Nubes

サルタ名物「雲の上行き列車」は観光列車の為、毎週土曜日の朝7:05出発の一便限りと決まっている。
そこで前日の金曜は、周辺地方都市観光のオプションツアーにでかけた。
最初フフイ州「ウマワカ渓谷」を予定していた私たちは一番ウマワカに雰囲気の似たCACHIへ行った。
そこはサボテンが広がる美しい七色の山が広がるのどかな村であった。



カチ Cachi
本当に何もないのんびりした所で、途中たどり着くまでの村も、アルゼンチンというよりはボリビアの片田舎に来たような
錯覚をしそうだった。
観光客の乗る場違いなほどこぎれいなワゴン車を反対に見物するように見据える村人たちに負い目を若干感じながら、
複雑な想いでCACHIに到着。この村は以外と殺伐としておらず、時の流れも人々の生活もゆったりで、こんな一元の
観光客を快く迎える人々の心の豊かさに感謝感謝。

 下界は雨模様、ずんずん登って
雲より高い場所(3000m級)
にたどり着く。神様になった気分
まだまだ中継地点目的地は先。

高さ3m近くあるサボテン
大小さまざまなサボテンがまるで
人のように立っている。

Cachiに到着する途中、道ばたで
赤唐辛子を干してる場面に遭遇。
美しすぎる自然美


村で唯一のConfiteria
下の写真がその内部


CACHI村章は山をバックに
ポンチョ姿で馬に乗るガウチョ


CACHIの中央プラザ・人がいない
右手はConfiteria建物


CACHI唯一のカフェテリアだけど
とてもモダンで洒落た店
教会モチーフのタピス(壁掛)
これは友人がお買上げされた。

CACHIの小さな村にある教会

この辺りの山は沢山の鉱物資源
を含み山肌が七色。


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とにかく素朴、だけど素敵な町
CACHIの街には一応宿泊施設もあるそうだ。唯一のCONFITERIA(=喫茶、上の写真参照)も見て頂くと分かるように
意外と洒落ている。
この村は田舎だけど不衛生じゃない小綺麗さが漂っていて、宿泊するのも面白いかも?と思わせた。

喫茶の食事メニューは限られていたが、セットモノが数種類あり、非常に美味しく手頃だった。(セットで1人$5)
観光客の足元を見ていない値段設定に好感が持てる。トイレも清潔。

小学校で遊ぶこどもたち


建物天井にはサボテンを使用しているのも面白い。
穴が無数に開いてて独特の質感。


サボテンを使った雑貨品

前日、民芸市場で「ナンだろう?この木は」と思っていたアナボコが無数に開いた木肌素材を使ったランプや写真立て。
風変わりでちょっと後込みしてしまったがこの街に来てそれがサボテンで有ることをガイドから聞いた。
ランプはそのアナボコからもれる光がなかなか風流だし、特にCACHIの街ではどの建物の天井にもサボテンを使用していた。

「うーん、記念に買っておきゃよかった。」いつも思うが後の祭り。見た目より結構高かったんだよね。
サボテンと聞いて正にCACHIにて価値を知る。(オヤジギャグでごめんなさい)

今度北部を旅する機会があれば是非手に入れたいと思う。



待望の高山列車

2000年05月06日()汽車は定刻7:05出発なので前日はホテルフロントでタクシーを予約し早めに休み、
翌朝まだ暗いうちに食事を済ませ市内ハズレの駅に向かう。駅では新聞やガムと一緒に乾燥させたコカの葉も売りに来る。
高山病防止に効くそうだ。

乗車料金が高いだけあって、本当にいたれりつくせり完璧な汽車。みかけの美しさや乗り心地はもちろんの事
喫茶車両、食堂車両、医療車両(医師・看護婦常駐)各車両に乗務員が1人つきっきりで退屈させぬよう、
具合悪くなっても見逃さぬよう常に気を配っているし、酸素ボンベ完備、もちろん郵便局、「雲の上行き列
車」グッズ販売
等々「まるでアルゼンチンじゃないみたい」なと友人が言ったほど(笑)

何せ、富士山頂上よりも高い地点(4,200mに達する)への一日列車往復旅行(夜は22時頃駅に到着予定)なので
そうは言ってもサングラス、スプレー化粧水、ポンチョや毛糸製品の防寒具、アメかガムなどは持参される事をおすすめ。

車窓は日差しが強くて、高所は空気が乾燥し肌が乾燥したり静電気がすごい。また出発時早朝はエアコンがなかなか
効かず窓際は冷えるが、日中は日差しが強く寒暖の差が車内でも激しい点気をつけ脱ぎ着し易い服装を心がけた方がいい。

食事は汽車内の車内販売のサンドウィッチ等を購入して食べるか?高地に到着する迄になるべく早い時間に食堂車
レストランでの食事を予約するか選べる。汽車の食事が気になった私達は11時に予約。
1人$10-15でデザート付だからせっかくの記念に車窓を眺めながら給仕を受けるのも素敵な経験とお勧め。

汽車の座席をもし指定出来るようなら長い車両の真ん中辺りをお勧め。というのは出入り口近辺はやはり人が移動して
ドアが開閉し落ち着かないやらトイレが近くにあって気になったり。

観光列車なので乗車客はインターナショナルな外国人が多く、皆んな手にカメラやビデオで雰囲気も良い。
頂上とそこから少し下った山頂の街「San Antonio de Los Cobras=サン・アントニオ・デ・ロス・コブレス」駅では高所に住む
インディオ系の地元民が週一度のお客を待ちかまえ手作り民芸品や毛糸製品を売りに来るから低額の紙幣($2,$5,$10)や
小銭を多く持っていくと便利


子供達が売りに来る貴石、リャマ人形等の小物で1個$1、毛糸の帽子$5、子供用セーター等で$10-15だ。
私の印象では、ブエノスアイレスの街で見たことのない楽しいものが沢山あったし、セーター類はリャマの
デザインがかわいい。(ボリビア首都のラパスでいくら探してもなかったリャマ柄が豊富だった)

余談だけど、リャマは一度のお産にたった一頭(一腹一頭と言うのかな?)なので家畜としては効率が悪いとかで近年
ボリビアではリャマよりも牛が重宝されるようになったそう。実際チチカカ湖畔でリャマを見たのはホテルで飼っている観光客向け
で放牧されているのは圧倒的に牛が多かった。

そして、ラパスのセーターやさんでも牛柄ものが多かった。
(日本人の感覚だと牛模様って何となく南米らしくないよね、と我々はがっかりしたものだ)

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サボテンと七色の山並み
鉱物成分によって色が異なる

高山に続く地道
ドライブするにはちょっと過酷

最高地点見晴らし場
商魂たくましい地元民の姿と
観光客

感動のひととき、最高地点鉄橋
車内BGMで気分も高揚

こんな風に即席お土産やさん

よ〜く見ると谷底に車
土産物を運ぶ地元民のものだ。



意外と整備された山頂
4,000mを超えると聞いて、2月に行ったボリビアを想像していた私は同じアンデスでもアルゼンチン側はかなり行き届いてる事に
驚いた。
途中に温泉もあったし(気軽に入れるかは不明)頂上サン・アントニオ・ロス・コブレス駅の住宅地は電気が来ていて舗装はさ
れてないものの、車が沢山あり我々でも住めそうな整い具合を感じた。
ただ子供達は表情や服装等から貧しい雰囲気が伝わってきた。

それが観光客向け演出なのか本当にそうなのか不明だが(本当っぽかったけど)観光客頼りの生活はやはり決して楽とは思え
ないが観光客も来ない村からの出稼ぎも考えられる。
また彼らはお風呂には長く入ってないような感じ、それが単なる彼らの習慣によるものなのか、水が貴重な高所ゆえのもの
なのかも不明。

また駅では「アルゼンチン国旗掲揚と国歌斉唱」が行われたが、地元民はその歌を知らないようで歌おうとしていなかった。

日本と違って中南米では国旗及び国歌には最大限の敬意を払う人々ばかりを見てきた中でこの光景は一種不思議な感じ
がした。(やっぱりボリビアからの移民か?)色々考えてしまった。

青い空に水色・白・黄色の
アルゼンチン国旗が美しい
国歌斉唱の時は羨ましく思える

神妙な感じの白人と
ふーんという我々他国観光客
そしてそれどころじゃない?
地元の子供たち


インディオ系の人々が作る
民芸品
ちっちゃくてカラフル
日本人好み
子供たちの表情も
日本人ぽい?

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アドベンチャーも楽しめる


モビトラック乗車は
かっこいいけどかなり寒そう
覆面手袋マフラー姿がベスト?
頂上へは高山列車の他に、アドヴェンチャー好きな観光客向けのMovi Track(モビ・トラック=下の写真参照)なる大型ジープと
トラックの中間のような乗り物もサルタ市内旅行社で予約が可能。「面白いよ」と友人から評判は聞いてたものの、実際汽車と
並んで走っていたトラックに乗ったお客の姿は本当に寒そうで悲壮感さえ漂っていた。車酔いにも強い人でないと過酷な印象を受けた。

列車では早朝から夜まで丸一日時間を共にする中で次第に乗客同士の友情も生まれた。
我々の後部席にいた親子は最初何気なく「観光客だな、フランス語を話してる」と思っていたら今度は「スペイン語」、うーん?!
よくよく見てみると白人夫婦に全く似てない中米系モロッチョの男の子が一緒だ。しかしフランス人のその子の母は実に彼をよく
かわいがっていて、アルゼンチン人の父も本当にそんな二人が大切でしょうがないという様子、そして子供に第三番目の言葉「英語」
でも話しかけたりしている。

何だか親子というのは、決して血のつながりだけではないのだなあーと彼らを目の当たりにして何とも言えぬ感動があった。
この男の子は後ではしゃぎすぎて、軽い高山病にかかり何度となく酸素ボンベのご厄介になる。


我々の乗った車両担当の
フリオと。
親切でユーモアたっぷり最高!

復路(夜で車窓が見えない)になる
とあらかじめ乗ってたメンバーの
フォルクローレの演奏が始まる。
このグループはボリビア系。
他にアルゼンチン系、地元サルタ系
がとっかえひっかえ演奏。
正面手を叩いて喜ぶ男の子は
アルゼンチン人父とフランス人母
を持つメキシコ人
家族とは血のつながりだけではない



帰路も退屈させない配慮が・・・
感動の頂上を堪能したら、ただ汽車に乗ってるだけなのに疲れがどっと、押し寄せてきた。
高地に体が慣れてない我々はそこに居るだけで体内のエネルギーを消耗するのだ。

汽車はまた、燃料を燃やしているのか?煙を吐いていたのでトンネルに入った時は窓も閉める。それでもついうっかり
閉め忘れて車内の空気がすすっぽくなった時も。色々帰路は疲れモードだ。

のんびりみんながまどろみ始めてしばらくすると、おもむろにアルゼンチン・フォルクローレのデュオが登場。我々にも
聞き馴染みある曲を数曲披露、一気に年輩アルゼンチン人夫婦が元気を取り戻す。若い人はわざと冷めた感じ
の対応。

続いて、今度は見たことない柄のポンチョを着たボリビア系グルーポによるフォルクローレ。曲の感じも何となくアン
デスのフォルクローレっぽい。有名な「ウマワカ渓谷の人々(邦題、花祭り)」や「コンドルは飛んでいく」などを軽快
なリズムで演奏、眠い目をこすっていた我々も一気に覚醒!ノリノリモードになる。
その後は地元サルタ?地方のインディオ系少女がカハ(ドラ太鼓)を片手に不思議なリズムの歌をアカペラで歌った。
友人曰く、「この音の旋律、オキナワ民謡そっくりなの」とアンデス-アジア同民族だった?仮説を確信持ちたくなる
ような興味ある発言をした。

関係ないけど沖縄県民は南米で違和感なくとけ込んでいるような印象を私は受けているが、その中に音楽性が似てい
るなあーなんて実証なき仮説を持っていたので嬉しくなった。

この旅はアルゼンチン北部の自然を楽しむ高山列車、というハズだったが自然はもちろん感動したけれどそれよりも
このようにお客を飽きさせる事無く、15時間もの一日汽車旅行を堪能させたスタッフの気配りとプロ意識と体力に
感動した。

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