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| ■ラプラタ音楽雑記帳 por CHORIPAN -04/5/9 |
CD: Canopus=ACQUA 007-2 "Yo soy el Negro / Raul Lavie" 今やルベン・フアレスと並んで男性タンゴ歌手ベテラン組の代表格となったラウル・ラビエの最新盤。今回は、1940年代をテーマにしたタンゴ名曲集だった前作とは全く異なり、何と全体の半分以上をカンドンベが占めているのだ。 ラビエは1937年ロサリオ生まれ。20歳で人気絶頂のエクトル・バレーラ楽団の専属となり、ほどなく同僚と共同主宰の楽団を立ち上げるがタイミングが悪く長続きしなかった。その後ロックンロール系のジャンルに転向し、アイドルの仲間入りを果たす。1960年代半ばからはタンゴ歌手に復帰すると共にミュージカル俳優としても活躍、「ハロー・ドーリー」「ラ・マンチャの男」などで主役をはり、海外でも知られる存在となり、映画にも出演した。 これまで特にカンドンベや黒人系の音楽に傾倒してきたわけではなく、今回のCDは67歳にしてかなり思い切ったイメージチェンジをはかったものと言える。収録曲のうち古い曲は、ピアナ=マンシの黄金コンビによる「パパ・バルタサル」、1940年代のヒット曲「アサバーチェ」、ピアソラの異色作「ジョ・ソイ・エル・ネグロ」という3曲のカンドンベだけで、残りはタンゴも含めてピアニストのサウル・コンセンティーノ(一部はフアン・カルロス・スニーニとの共作)の作った新曲ばかり。うち4曲は現代屈指の大物女流詩人エラディア・ブラスケスの詩によるもので、ブラスケスは1曲歌でもゲスト参加している。伴奏にドラム、キーボード、サックスなどが入っている点に抵抗があるタンゴ・ファンもいると思うが、円熟してなお新しい一歩を踏み出そうとする姿勢には感服させられる。3曲収録されたタンゴ(すべてコセンティーノ=ブラスケス作品)が一番合っているなあ、と思うのも確かだけれど。いずれにしろ、現代的な詩にカンドンベのリズムを組み合わせて、歌のタンゴの新しい方向を示唆した作品として興味深い。 |
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